● 映画 運び屋 実話サスペンス 結末は"老いを迎え入れるな"
◆ 運び屋 予告編 動画
◆ 映画 運び屋 のあらすじ
園芸家のアールはデイリリー(ユリ科の植物)の栽培に
人生を捧げてきた、と言ってもいいくらいの男です。
家庭も家族も顧みず生きてきました。
おかげで家族とは絶縁状態です。
仕事も一時は羽振りが良かったが時代の変化に
付いていけず完全に没落しています。
園芸農園は手放し自宅は差し押さえされてます。
その彼も80歳を超えました。
そんな時、アールがこの年まで一度も交通違反で
切符を切られたことがない、ということを知った
知り合いから簡単な仕事を持ち掛けられたのです。
それは彼の車で荷物を指定された場所までただ運ぶだけ。
いたって簡単な仕事です。
彼の車はかなりくたびれたピックアップトラックです。
彼は仕事を引き受けます。
この時は荷物が何か全く知りません。
でも一度目を無事済ませると、次にまた仕事が来ます。
来た仕事を全部受けていきますが、
それがどういう結果を招くのでしょうか・・・。
彼はまだ知りません。
◆ 映画 運び屋 のネタバレ感想
この映画は面白いです。
クリント・イーストウッド監督・主演で文句なしに楽しめます。
80歳代も半ばを超えたアール・ストーンは一時期は
園芸家として成功したんです。
彼は第二次世界大戦の退役軍人です。
そんな彼ゆえに頑固なところが有るんです。
時代の変化に付いていけず、インターネット販売という
新しい販売手法に負けて破産状態になってしまうんです。
園芸農園は人手に渡り、自宅は差し押さえされているんです。
そんな彼は、今まで仕事一途にやってきて、
まったく家族を顧みることはなかったんです。
妻にも娘にも見放されているんです。
彼は娘とは12年半全く口をきいていないと言っています。
そんなある日孫娘の結婚が決まったお祝いに彼女の家に行きます。
孫娘は笑顔で迎えてくれたのですが、
居合わせた妻と口喧嘩してしまいます。
彼は孫娘に"ごめんなジニー"と言った後
追い出されるように自分の車へ戻っていきます。
その時、結婚祝いに来ていた男客の一人が
彼に近寄ってきてアールと世間話を始めます。
その男はアールがアメリカ国内の50州のうち
41州を自分の車で走ってきた。
今まで一度も交通切符を切られたことがない、
という事実を聞き驚きます。
そして男はアールに仕事を持ち掛けます。
それは単に街から街へ車で走るだけ、というんです。
アールのように慎重な運転ができる者なら、
男の知り合いが喜ぶから紹介するというんです。
男はアールから離れていく際に一言囁くんですね。
"孫を喜ばせたいでしょ。"
アールはよく分かっていないが、車で走るだけ?
と言いながらも渡されたメモの場所の
テキサス州エルパソのとあるガレージの前に行きます。
すぐにシャッターが上がりその中へ車を進めます。
またすぐにシャッターが閉じられます。
3人の男達がいて、1人はライフルを持っています。
見るからに危険な男達です。
男たちはアールのかなり草臥れたピックアップトラックを見ながら、
どこに収納スペースを作るんだ、と言っています。
アールは誰にも車は触らせない、
荷物は荷台に置いておけ、安全だと言います。
一人の男が布バッグを荷台に置き"狂ってる"と言っています。
リーダーらしい男がアールに携帯電話を渡し、
昼でも夜でも携帯電話が鳴ったら出ろ、と言います。
受け渡し場所に着いたらメールが届くとも言っています。
実はアールはこんな携帯電話なんか全く使えないのです。
最低限の使い方を教えてもらい、
アールは第一回目の荷運びを始めたのです。
目的地に着くと車のキーをグローブボックスに
入れたままにして車から離れること。
1時間後に車に戻りそのまま立ち去れ、と言われているんです。
アールは言われた通りに1時間後に車に戻り
グローブボックスを開けてみると、車のキーと封筒が入っています。
封筒をそうっと開けてみると札束が入っています。
それはアールが思っているより遥かに多かったのです。
100ドル札が100枚の10,000ドルです。
これは大きな金額です。
アールは最初この仕事は今回の一度だけと決めていたのですが、
収入ゼロで自宅は差し押さえ状態なんです。
次の仕事も受けてしまいます。
なんとアールは車を買い替えていたんです。
黒のピックアップトラックの新車。
超いけてます。
2回目からの仕事はこの黒いピックアップトラックでやっていきます。
でもこの時、密かに麻薬取締局の捜査官が
運び屋の存在を知り徐々に狙いを絞っているんです。
実はアールは2度目の運び屋までは荷物が何か知らなかったんです。
3度目の時にどうしても気になり、砂漠を突っ切る道路の
人目の無いところで車を止めてバッグを開けます。
中には透明ビニール袋に白い粉が詰められた物が
びっしりと入っています。コカインです。
でもアールは荷物がコカインだと知ってからもこの仕事を続けます。
この後、麻薬取締局とアールはどのようになっていくのでしょうか。
ぜひ映画で確認してください。
本当に面白いです。全力でお勧めします。
◆ 映画 運び屋 の考察
この映画は80歳代でシナロア・カルテルの麻薬の運び屋となった
第二次世界大戦の退役軍人であるレオ・シャープの
実話に基づいているそうです。
クリント・イーストウッド監督・主演作としてこの映画は
余りにもぴったりとはまっているように感じます。
実は彼は2回の結婚歴を持ち6人の女性と関わり
8人の子供がいるということです。
この作品中で彼の娘アイリス役のアリソン・イーストウッドは
最初の妻との間にできた実子なんです。
父親の家族を顧みない生き様に対して、
怒りの激しさを見せた演技はクリント・イーストウッド本人に
突き付けるためだったのかも、と思っちゃいました。
最後は家族の絆の大切さを訴えかけてきます。
裁判で有罪が確定して手錠を掛けられて
連れ出されていくアールを見送って娘のアイリスが言っています。
"これからは、とにかくいつも居場所は分かる"
また彼の妻の死に立ち会ったアールは
息を引き取る直前の妻に言われます。
最高に愛した人。最悪の悩みの種。
映画の最後に刑務所で他の囚人たちと一緒に
花の世話をしているアールの姿をバックに流れていた歌の歌詞が
凄く心に残ったのでこの下に載せておきます。
♫ 老いを迎え入れるな もう少し生きたいから
老いに身をゆだねるな ドアをノックされても
ずっと分かっていた いつか終わりが来ると
立ち上がって外に出よう 老いを迎え入れるな
数え切れぬ歳月を生きて 疲れ切って衰えたこの体
年齢などどうでもいい 生まれた日を知らないなら
妻に愛を捧げよう 友人たちのそばに居よう
日暮れにはワインで乾杯しよう 老いを迎え入れるな
数え切れぬ歳月を生きて 疲れ切って衰えたこの体
年齢などどうでもいい 生まれた日を知らないなら
老いが馬でやってきて 冷たい風を感じたなら
窓から見て微笑みかけよう 老いを迎え入れるな
窓から見て微笑みかけよう まだ老いを迎え入れるな ♫
この記事に関連する言葉
シナロア・カルテル//コカイン//麻薬//エルパソ//レオ・シャープ//アメリカ合衆国の100ドル札//ピックアップトラック//デイリリー//麻薬取締局//クライム映画(犯罪映画)//第二次世界大戦//退役軍人//園芸家//ニュー・メキシコ州//ラスクルーセス//ジョージア州//アトランタ//ローム (ジョージア州)//オーガスタ (ジョージア州)//差押え//麻薬カルテル//メキシコ//麻薬取締官//警察//フィルモグラフィ//処方箋//
◆ 私の評価
◆ 作品情報
□ タイトル
・運び屋
□ ジャンル
・サスペンス
□ 製作年
・2018年
□ 制作国
・アメリカ
□ 収録時間
・116分
□ 音声仕様
・英 / 日
□ 監督
・クリント・イーストウッド
□ キャスト
アール・ストーン:クリント・イーストウッド
コリン・ベイツ捜査官:ブラッドリー・クーパー
主任特別捜査官:ローレンス・フィッシュバーン
トレビノ捜査官:マイケル・ペーニャ
メアリー:ダイアン・ウィースト
ラトン:アンディ・ガルシア
フリオ:イグナシオ・セリッチオ
ジニー:タイッサ・ファーミガ
アイリス:アリソン・イーストウッド