
● 映画 シークレット・ルーム あらすじ・ネタバレ感想・考察
◆ 映画 シークレット・ルーム 予告編 動画
◆ 映画 シークレット・ルーム のあらすじ
ニューヨークの敏腕弁護士が郊外の自宅に帰るために乗った電車が、
停電のため停止してしまった。
おかげで帰宅が遅くなってしまったんです。
やっとの思いで自宅に帰って来たのですが、
庭先に居たアライグマに気づきました。
追い払おうとしたが、ガレージに入ってしまったんです。
追ってきた彼はガレージの2階の倉庫へ上がっていきました。
そこで彼は気が付いたのです。
屋根裏の窓から自宅の全てが見通せることに。
それからの彼は自宅には帰らず、ガレージの屋根裏で
密かに妻や子供たちの生活を盗み見する生活が始まります。
仕事も無断で休んでいます。
妻とも一切の連絡を取っていないのです。
完全なる失踪人状態です。
この先彼はどうして生活していくのか。
妻や子供たちの元には帰らないのか。
これからどうなっていくのでしょうか…。
◆ 映画 シークレット・ルーム のネタバレ感想
この映画はちょっと変わっています。
ほとんどが主人公の目線レベルで物語は進行します。
自分の考えや盗み見している対象の家族や知人などの考えを、
ナレーションのように主人公がしゃべっています。
特別な盛り上がりもありません。
でもこの先の主人公はどんな行動をとっていくのか、
日常とは全くかけ離れた生活が面白いです。
ニューヨークで弁護士をやっているハワード。
彼は敏腕で稼ぎもかなりいいんです。
ニューヨーク郊外の高級住宅街に自宅を構えています。
ある日、帰宅途中で停電のため乗っている電車が
停車して動かなくなってしまったんです。
仕方なく後は徒歩での帰宅となってしまいます。
いつもよりかなり遅くなっています。
実はハワードは妻のダイアナとの倦怠期で悩んでいるんです。
そういうことで帰宅途中にダイアナから彼のスマホに
掛かってきた電話を無視して出ていないんです。
そんな彼がようやく自宅の前に帰って来ました。
ところが庭の片隅にアライグマがいたんです。
それを追い払おうとすると、ガレージに逃げ込んだんですよ。
それを追って彼も中に入り2階の屋根裏部屋に上がっていきました。
そこで彼は偶然にも、その屋根裏部屋の窓から
自宅が見渡せることに気が付きます。
今まさに妻のダイアナと双子の娘ジゼルとテイラーが
食事を始める所が丸見えです。
彼はそのまま盗み見を続けることにします。
しばらくしてダイアナが電話をかけています。
ハワードのスマホが鳴り始めます。
彼はそれも無視して出ないことにしたんです。
ダイアナが怒ってしまったようです。
彼の食事の器をそのまま手に取り玄関先の
ごみ箱に捨ててしまったんです。
そんなことが有り、彼はつい帰るきっかけを失っています。
仕方がないので妻も寝てしまう夜中にそっと帰ろうと思っています。
が、しかしなんです。彼はそのまま寝入ってしまい、
気が付けば朝が来てしまっているんです。
益々出そびれて、仕方がないのでダイアナが仕事で出るまで、
このまま窓から覗き見を続けます。
所がえらいこっちゃです。
ダイアナは夫ハワードが連絡もしないで
帰宅しなかったのを心配しているんです。
それで警察に連絡をして、捜索を依頼するんです。
それで警察が自宅にやって来たんです。
警察が帰った後ダイアナは泣き出しています。
ハワードはここで出て行って帰宅しようとするんです。
でも、そんなところへ義母のバブスがやって来ました。
彼はバブスが苦手なんです。
ハワードは完璧に帰宅するチャンスが無くなりました。
しばらくしてダイアナは仕事で出かけます。
無人となった自宅。
そーっと自宅に入りシャワーを浴びます。
ハワードは言い訳を考えていたんですが、
夫が失踪しているのに仕事に出るのはおかしい、と憤りを感じます。
やがて、自分がいない方がダイアナは幸せなんでは?
と思い巡らせるんです。
そこで自分の痕跡を消し、ストックしている食品を間引いて
それを持ち、ガレージの屋根裏部屋に戻っていきます。
彼は徐々にこの生活になじんでいきます。
もうシャワーは自宅のを使えません。
そこで隣のソンダーヴァン医師の庭にあるシャワー小屋を
こっそりと利用することにしました。
医師は知的障害を持っている子供たちのために
施設を運営しているんです。
ハワードは食事や服などの調達を
住宅街のごみ箱から漁る様になってきました。
高級住宅街は結構な食べ物が捨ててあるんですよ。
ハワードは持っているカードを使わないんです。
使えば生きているのがばれてしまうからです。
そんなハワードはこの後まるで浮浪者のようになっていきます。
髭も髪も伸び放題。着ている服は汚れて一目見ると人が避けるほどです。
もう誰もハワードに気づきません。
だが奇跡的にハワードの存在を知っている者がいたんです。
隣のソンダーヴァン医師の施設で暮らしている
エミリーとハーバートの二人の子供たちです。
彼らはダウン症ですがハワードにとって、
翼の生えたエンジェルなんですよ。
春から始まったハワードの浮浪者生活。
夏が過ぎ、過ごしやすい秋もハロウィンと共に過ぎ、
極寒の冬がやって来ます。
ハワードはこの二人の子供たちに命を助けられるんです。
さてこの後ハワードはどうなっていくのでしょうか。
自宅へ帰るのか、帰ったとしても家族はどうなの?
この映画は観る人によって見方が分かれるかもです。
私は結構面白いな、と思いました。
特に最後の終わり方に、あなたならどうする?っていう
問いかけのようで、ここが面白いですね。
◆ 映画 シークレット・ルーム の考察
この映画は劇場で放映されてないらしいですね。
WOWOWの放送が日本初公開で放送時のタイトルは
「アイ'ム ホーム 覗く男」なんです。
この映画の主人公はニューヨークの敏腕弁護士です。
富も名誉も持っているんです。
でも家庭では夫婦間にはもはや愛情はなく、
超絶倦怠期を迎えているんです。
彼は何事も自分が一番なんですね。
2番じゃダメな奴なんです。
生き方自体に鼻持ちならない驕りがあります。
そんな男が有るきっかけで、
誰もが顔をそむける浮浪者生活に入っていきます。
そこで自分の持っている人生で今まで培ってきた
大事なものを全部捨て去ります。
まったくの無一文生活が始まります。
ベンチに腰かけていると母親に言われた小さな子供が
お金をそっと手渡してくるんです。
何も言わず黙ったままでお金を受け取ります。
でも彼は完全な心の自由を手に入れたのかもしれないですね。
そんな生活を始めて半年余り過ぎたころです。
真冬の雪が降っている日に、
彼は高熱を発して意識が無くなっています。
自分が看病されている夢を見るんです。
でもそれは夢ではなく現実だったんです。
徐々に意識が戻ってきたとき、目の前には、
あのダウン症の2人の子供エミリーとハーバートがいます。
この子供たちが一生懸命看病してくれたんです。
その時彼は体感するんです。
本物の慈悲は緊張を伴わず、
優しい雨のごとく
天から下界へと降り注ぐのみ。
何度も耳にした言葉だが
今初めて意味が分かった。
慈悲は要求して得るものではない
誰かに強いるべきものではないのだ
自然に与えられる。
理由なく恵は空から降ってくる
与える者にも与えられる者にも
祝福有らんことを。
互いに与え受け取るのだ。
彼は全ての手に入れたものをかなぐり捨て、
一銭もない孤独な生活を続けることによって、
はじめて少し悟りに近づけたのかなと思いました。
今後、弱者の味方になって弁護士活動を行ってほしいものです。
いや、きっとそうなると思います。
この映画のラストでは、主人公が髭も髪も切り、髪形も整え、
スーツもニューヨークの一流店で極上の物をあつらえます。
それを身につけて自宅に帰っていきます。
ただいまー
その時の家族の反応が現れる前に終わってしまい、
エンドロールとなります。
観ているあなたに問いかけているんです。
この下の写真のどのパターンになるのか。
パターン1
パターン2
パターン3
パターン4
あなたならどうですか?
この記事に関係する言葉
ダウン症候群//知的障害//慈悲//弁護士//悟り//ハロウィン//ニューヨーク//倦怠期//グループセックス//アライグマ//屋根裏//警察//捜索//失踪//車庫//社会的責任//双眼鏡//無償の愛(アガペー)//
◆ 私の評価
◆ 作品情報
□ タイトル
・シークレット・ルーム
□ ジャンル
・サスペンス
□ 製作年
・2016年
□ 制作国
・アメリカ
□ 収録時間
・108分
□ 音声仕様
・英 / 日
□ 監督
・ロビン・スウィコード
□ キャスト
ハワード・ウェイクフィールド:ブライアン・クランストン
ダイアナ・ウェイクフィールド:ジェニファー・ガーナー
バブス:ビヴァリー・ダンジェロ
ダーク・モリソン:ジェイソン・オマラ
ベン・ジェイコブズ:イアン・アンソニー・デイル
ソンダーヴァン医師:アレクサンダー・ゼイル
エミリー:ピッパ・ベネット=ウォーナー
ハーバート:アイザック・レイヴァ
ジゼル・ウェイクフィールド:エラリー・スプレーベリー
テイラー・ウェイクフィールド:ヴィクトリア・ブルーノ