● ウインド・リバー保留地で少女殺人事件発生 最後はどうなる?
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◆ ウインド・リバー 予告編 動画
◆ 映画 ウインド・リバー あらすじ
アメリカ・ワイオミング州ウインド・リバー保留地。
地元のベテランハンター(害獣駆除員)コリー・ランバートは
厳寒の雪深い荒野で人の足跡を発見した。
足跡はつま先が深く踵部が浅くなっていることから
走っていることが分かる(これは後程彼の説明でわかる)。
コリーはこの足跡に疑問を持ち辿っていくのです。
所々で倒れた痕跡があります。
真っ白な雪に血が付いています。
なおも辿っていくとその先の真っ白の雪上に異物が有るようです。
コリーは注意しながら近づいていきます。
人が倒れています。死んでいるようです。
顔を確認したところ少女のようです。
口から血を吐いて息絶えています。
連絡を受けてFBI女性捜査官の
ジェーン・バナーが派遣されてきました。
彼女はまだ新人捜査官のようです。
先住民保留地内での事件であり、厳寒の雪深い現場であることから
コリーに捜査協力を要請するんです。
厳しい雪山の吹雪や極低温の中、
先住民の敵対感情をなだめながらの捜査が始まった。
死んだ少女は誰?
なぜ雪深い厳寒の荒野で裸足で走って来たのか?
そうなんです、
少女は裸足で雪の中を走ってきて息絶えたのです。
結末はどうなっていくのでしょうか。
◆ 映画 ウインド・リバー のネタバレ感想
この映画本当に面白いですよ。
途中間延びすることもなく、
いっきに最後まで観てしまったんです。
映画の始まりは、夜中に一人の少女が雪深い原野を、
ただひたすら駆けているんです。
まるで何かに追われているように後ろを気にしながらです。
足を取られてたびたび雪上に倒れます。
すぐに起き上がって、またよろけるように走り出します。
このシーンから始まるんです。
観ているこちらは、この情景が今後の大きな事件の始まり
とは考えもしていなかったんです。
ここはウインド・リバーというアメリカ先住民の保留地なんです。
そこで害獣駆除などを生業にしているベテランハンターの
コリー・ランバートは家畜を狙うオオカミやピューマを
長距離射程のライフルで狙い撃ちしています。
そのコリーが雪の荒野をスノーモービルで
パトロール中に人の足跡と血痕を発見します。
足跡をたどっていくと、所々で倒れた跡があります。
雪が血で染まっている所もあるんです。
そしてその先で人が倒れているのを発見します。
注意深く近寄りそれが少女であり、
息絶えていることを確認します。
なんと少女は裸足なんです。
その時にはコリーは少女が誰なのか分かっているんです。
すぐに保安官に連絡します。
そこからの連絡によりFBI女性捜査官の
ジェーン・バナーが派遣されてきます。
まだ若く新人であるようです。
なんと彼女はフロリダ生まれで配属先はラスベガスなんですね。
たまたまこの地に一番近いところに所用でいたところ
彼女に派遣命令が有ったということです。
この近くには自分しかいなかったので・・・。
ということなんです。
この厳寒の雪深い大自然の中での事件。
そしてここは先住民保留地なんです。
差別や偏見が色濃く残る土地、ウインド・リバーなんです。
この全てのことに初めてのジェーンは
コリーに捜査協力を依頼します。
実はコリーは3年前に死体の少女と
同年齢の娘を失くしているんです。
そういうことからこの事件に関わり、
事実の解明と犯人の割り出しに協力することになります。
ジェーンはこういう僻地と言っていいような土地に派遣されて、
腐らず情熱をもって捜査を進めていきます。
そんな彼女に敵意を持つ人があまり出てこないんです。
コリーもすごく熱心に捜査しています。
ここでコリーがジェーンに教えます。
この辺りの荒野の気温は夜には氷点下30℃にもなる。
その空気を吸い続けると肺胞が凍り、肺出血を起こし、
やがて肺中血で一杯になり、窒息死する。
少女の死因はその窒息死だと。
そこまでして逃げてきた少女をコリーは良く知っているんです。
彼女の父親はコリーの盟友の様な仲なのです。
娘が理不尽に殺されたインディアンの
父親の抑制された深い悲しみ。
それをコリーは理解しているんです。
ジェーンとコリーの捜査が進んでいく中、
いろんな謎が解明されていきます。
死んだ少女は18歳でした。
その彼女が付き合っていた男も荒野の片隅で
死んでいるのを発見されています。
なぜこのような状況になるのか。誰が手掛けたのか。
物語のクライマックスは目の前です。
それにしても吹雪いている時の山の禍々しさ。
晴れ渡った山々の美しくその神々しさ。
ラストには留飲を下げる思いがします。
この映画は全力でお勧めします。
実話だそうですが面白いです。
◆ 映画 ウインド・リバー の考察
アメリカインディアン居留地(先住民保留地)内での事件発生です。
ここでは一般の警察は権限が無いんですね。
部族警察があり、捜査はそこが取り仕切る訳です。
でも人員はごく僅かで、ウインド・リバーの部族警察は6名ぐらいなんです。
ひと悶着がありFBI女性捜査官のジェーンが地元の
ベテランハンターのコリーの協力のもと捜査を続けます。
この物語の背景にはアメリカという国が取ってきた
先住民に対するひどい扱いがあります。
インディアンが住んでいた緑の大地を白人たちが奪い、
先住民たちは雪深い辺境の土地に追いやられているのです。
そして白人たちの猛烈な差別でまともな教育も受けられず、
職もなく、行きつくところは、酒、麻薬、レイプ、家庭内暴力、殺人、自殺。
この惨憺たる国、白人が作ったアメリカという国の暗闇の部分。
その部分に切り込んでいってると思います。
完全に隔離政策を進めて、白人社会に出ていけないんですね。
一歩でも出ようものなら、偏見と差別で底辺に追いやられてしまいます。
最後に字幕で出てくる以下の文章が衝撃的ですね。
ネイティブアメリカン女性の失踪者に関する
統計調査は存在しない
失踪者の数は不明のままである
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なお、この下にウィキペディアのリンクを貼っています。
興味のある方はご覧ください。(別ウインドーで開きます)
インディアン居留地(先住民族保留地)
ウインドリバーインディアン居留地
ピューマ
オオカミ
◆ 私の評価
◆ 作品情報
□ タイトル
・ウインド・リバー
□ ジャンル
・サスペンス
□ 製作年
・2017年
□ 制作国
・アメリカ
□ 収録時間
・107分
□ 音声仕様
・英 / 日
□ 監督
・テイラー・シェリダン
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□ キャスト
コリー・ランバート:ジェレミー・レナー
ジェーン・バナー:エリザベス・オルセン
ベン・ショーヨ:グラハム・グリーン
ナタリー・ハンソン:ケルシー・アスビル・チャウ
マーティン・ハンソン:ギル・バーミンガム
ウィルマ・ランバート:ジュリア・ジョーンズ
チップ・ハンソン:マーティン・センスマイヤー
マット・レイバーン:ジョン・バーンサル
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