パリ、憎しみという名の罠 映画dvd ネタバレ感想とあらすじ結末

● 映画 パリ、憎しみという名の罠 そして誰もいなくなった

◆ 映画 パリ、憎しみという名の罠 予告編 動画

 

 

◆ 映画 パリ、憎しみという名の罠 あらすじ

 

アントワヌは義父から継いだ会社が経営不振で税金も払えない状態。

妻ダナとは上手くいっていない。

 

 

義父のアロンは大金持ちだが、アントワヌを才能の無いバカと見下している。

だから義父には借金を頼めない。

 

会計士のロランに会社を破産申請することを勧められて、

苦悩の末、破産申請書類にサインをする。

 

 

その時アントワヌは二酸化炭素の規制枠の書類がきていることをロランに話す。

ロランは会社の余っている規制枠は売買できると説明した。

 

アントワヌの会社で使っている多くのトラックの燃料はガスなので、

可成りの規制枠が余っているということだ。

 

ロランに余った規制枠の売却を頼んでいたが、

その後売れたと報告があった。

 

 

16,000ユーロで売れたので会社の口座ではなく、

アントワヌの個人口座に振り込んだ、とのことだ。

 

規制枠はオンラインで簡単に売買できる。

そして国内では高い税金がかかってしまうが、

国外での売買は国によって税率が違うという理由で免税される、と聞かされる。

 

そこに目を付けたアントワヌは、海外にダミー会社を大量に作り、

そこを経由して規制枠の売買を大規模に始める計画だ。

 

 

いわゆる排出取引だ。

 

しかし資金がないので融資を周囲に頼むが、どこも不発に終わる。

 

最後にギャングから200万ユーロ借りる話を持ち込む。

3か月後に400万ユーロにして返却する条件だが・・・。

 

 

 

ここで人間関係が分かりにくいので、登場人物を整理してみます。

 

・アントワヌ:経営が悪化している会社の経営者。妻はダナ。

・ダナ:アントワヌの妻。父親がアロン。

・ノア:アントワヌの恋人。

・アロン:アントワヌの義父。ダナの父親。大金持ち。

・ロラン:アントワヌの会社の会計士で友人。アントワヌに排出量取引を説明する。

・エリック:アントワヌの友人。感情的になりやすい性格。麻薬常習者。兄がシモン。

・シモン:アントワヌの友人。エリックの兄。

・ドリー:エリックとシモンの母親。闇の世界に通じているようだ。

・モゼール:刑事。ドリーに借りがある。

・キャメル:ギャングの親玉。アントワヌに大金を貸す。

・サイード:キャメルの部下。

・フランク:キャメルを逮捕したい刑事。

 

◆ 映画 パリ、憎しみという名の罠 観た感想 少しネタバレかも

 

いきなり銃で射殺される場面で始まる映画。

それがこの映画の主人公なんだと分かった時の二度目の驚き。

 

兎に角面白い。

 

パソコンなどを大量に使用して裏ビジネスを成功させていく様。

面白いです。

 

 

温室効果ガスの排出量取引で荒稼ぎしたことで

ギャングに目をつけられた男の運命を描いた社会派サスペンス。

 

これは京都議定書で決められた排出量取引の発行されたころに、

まだ誰もその運営を理解していないため、

その間隙をついて考えだした犯行です。

 

 

アントワヌは義父から受け継いだ会社の経営を失敗し、

多額の借金を抱えています。

 

ロランから経営悪化している会社を破産申請するよう勧められ、

悩んだ末にその申請書にサインをするんです。

 

 

だがその時、ロランから二酸化炭素の

排出量規制枠の売買について説明を受けます。

 

それはオンラインで簡単に売買できる。

 

国内で売買すれば、高額の税金がかけられる。

国外での売買は無税になる。

これは国によって税率が異なるからという理由なんです。

 

 

アントワヌはここから大胆な荒稼ぎ出来る計画を思いついたんです。

これがこの物語の出発地点です。

 

規制枠売買という大胆で先進的な荒稼ぎ方法を思いついたものの、

かなりまとまった資金が必要なんです。

 

資金提供をいろいろ当たってみたものの、全く進展なしです。

 

 

それには理由があったんです。

 

義父のアロンが財界各方面に手をまわし、

アントワヌの悪評を広め、

資金提供者が出てこないようにしていたのです。

 

 

切羽詰まったアントワヌはギャングのキャメルに合い、

200万ユーロという大金の借用話を持ち込むんです。

 

最初は乗り気でなかったキャメルも、

3か月後に倍の400万ユーロにして返す、

というアントワヌからの条件で折り合いをつけ、

貸出することになったんです。

 

 

これを元手に大々的に規制枠売買を始めたんです。

 

誰も競争相手がいない市場であり、

売り手と買い手がwin-winなので瞬く間に商売は大きく成長していきます。

 

 

巨額を手にして舞い上がってしまったエリックとシモンの兄弟。

札束で相手の頬を張るような豪遊を続けます。

 

特に麻薬常習のエリックは歯止めが効かなくなってきています。

 

 

この頃から暴力沙汰が増えてきます。

 

湧いて出てくる湯水のようにエリックはお金を使いだして、

アントワヌやシモンの言葉には全く耳を傾ける様子もありません。

 

 

この荒稼ぎを知ったギャングのキャメルは、

稼ぎの半分を要求してくるんですよ。

 

そこからまるでギャングの抗争の様な激しい対立が始まってしまいます。

 

 

こっちの一人が殺され、向こうの一人を殺し、

こんな状態がエスカレートしていきます。

 

 

アントワヌまで銃で撃たれて・・・。

 

この映画の初っ端の映像がこの映画のラストシーンとなって終わります。

 

◆ 映画 パリ、憎しみという名の罠 観て考察を述べる

 

この映画の背後に関係している、京都議定書。

1997年12月に採択された議定書です。

 

でも、どの国も自国の経済界があまり歓迎しておらず、

なかなか受け入れが進まなかったようです。

 

それでも何とか2005年2月16日に発効しました。

 

今現在カナダが議定書から離脱、

アメリカが議定書の批准を拒否しています。

 

ただ米国内219都市が独自に京都議定書を批准しています。

 

なんかアメリカという国家、つまりアメリカ政府であり、

その大元の大統領が自身の支持を落とさないために、

批准反対の財界を意識しての政策に思えてしまいますね。

 

京都議定書と排出取引のウィキペディアのリンクを貼っておきます。

京都議定書

排出取引

 

話が横道にそれてすみません。

裏のビジネスとして二酸化炭素の排出量取引に、

目を付けたアントワヌは凄いと思いますね。

 

当時先鋭すぎて誰も考えていなかったことを、

ビジネスとして形作ったわけですから。

 

 

ただそれが大きな脱税になり、

それを回避するためにマネーロンダリングをもくろむ。

 

それを受け持ったのはドリーの紹介の中国人です。

 

彼の銀行の存在はフランス政府どころか、

中国の地元政府にも知られていない、

とその中国人は言い放ちます。

 

 

そんな闇の中の裏取引専門の様な銀行が有るんですね。

さすが色んな意味で中国人だと思いました。

 

最後のエンドロールに出てきますが、

この排出量取引で2008年~2009年に売上税を脱税する事件が発生。

 

EU全域での被害額は50億ユーロ、フランスでは15~18億ユーロに上る。

 

こんなことが本当に発生していたんですね。

そのことに驚いています。

 

 

◆ 映画 パリ、憎しみという名の罠 私の評価

 

3.5

 

 

◆ 作品情報

 

□ タイトル

・パリ、憎しみという名の罠

 

□ ジャンル

・サスペンス

 

□ 製作年

・2017年

 

□ 制作国

・フランス、ベルギー

 

□ 収録時間

・104分

 

□ 音声仕様

・仏 / 日

 

□ 監督

・オリヴィエ・マルシャル

 

□ キャスト

 

アントワヌ・ロカ:ブノワ・マジメル

 


 

ノア:ローラ・スメット

 


 

アロン・ゴールドスタイン:ジェラール・ドパルデュー

 


 

ロラン・メルキ:ミカエル・ユーン

 


 

シモン:グランジ

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ありがとうございました。
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