映画 ジュリアン サスペンス DV夫の家庭内暴力を止められるのか

● 映画 ジュリアン DVが止められない司法と行政

◆ 映画 ジュリアン 予告編 動画

 

 

● 映画 ジュリアン あらすじ

 

ジュリアンは11歳の男の子。

 

彼には両親(母:ミリアム、父:アントワーヌ)と18歳の姉がいる。

両親は離婚調停中です。

 

 

この父親アントワーヌがとんでもない男で、

家族みんなにDV(家庭内暴力)をふるい

身体的にも、精神的にも傷つけている。

 

姉は18歳であるから本人の意思で身の振り方を決められる。

 

 

ジュリアン本人は自分の意思をそれほど聞き入れてもらえない。

 

母ミリアムはアントワーヌを自宅にも

子供たちにも近付けさせたくなかった。

 

でも無職のミリアムと定職のあるアントワーヌでは

調停時に不利な判断をされてしまうのです。

 

それはミリアムとアントワーヌでジュリアンの

共同親権ということになってしまったんです。

 

 

そしてその結果、隔週の週末ごとにジュリアンは

父と過ごすことになってしまった。

 

でもジュリアンは父からは恐怖しか感じられないんです。

 

 

その父アントワーヌは家族から拒絶されて、

徐々に過激な一方通行の家族愛を

発揮していくようになってきました。

 

それはジュリアンや母ミリアムにとっては暴力そのものです。

 

そしてそれが沸点に向かって進んでいき、

戦慄のラストを迎えます。

 

 

 

● 映画 ジュリアン DVサスペンス のネタバレ感想

 

なかなか考えさせられるサスペンス映画でした。

面白かったですよ。

 

こんなDV男の事件は、司法や行政が進んでいるフランスには、

あまり無いと思っていました。でも有るんですね。

 

そしてまた、司法や行政がDV事件を止めることも出来ないという事実。

事件が起きてからしか動かない警察。

 

 

日本と同じですね。

 

そして日本と比べれば米国ほどではないでしょうが、

簡単に銃を持つことができるんですね。

 

アントワーヌが自分の父親の家に行って、

車から荷物をガレージに運ぶ際、父親も手伝っていました。

 

その時ちらっと見えたのがライフルか猟銃かは分からないのですが、

それが入っている銃ケースでした。

 

 

その時感じたのは、あっ、銃を持ってる。

 

ひょっとしたらその銃を使うような場面設定が、

あるんじゃないか、というものでした。

 

そしてラストで銃の出番がありました。

 

 

ちょっと話が前後しますが、

ミリアムとアントワーヌの離婚調停場面が、

この映画の始まりになります。

 

まだ11歳ということで自分の意思が余り通らない

ジュリアンの陳述書が読み上げられます。

 

 

ジュリアンの陳述書

 

ジュリアンの陳述書
両親は離婚していて、ママと姉と住んでいます。

もうすぐ姉さんの誕生パーティです。

 

おじいちゃんの家に住んでいます。

勉強は一人でちゃんとやっています。

 

友達がいっぱいいて楽しいです。

 

あの男が来るのが怖くて外で遊べません。

おじいちゃんも怒鳴るから最悪です。

 

あの男はママをいじめてばかりいます。

ママのことが心配なので離婚は嬉しいです。

 

僕がママと姉さんのそばにいないと。

僕も姉さんも、あいつが嫌いです。

 

週末の面会を強制しないでください。

二度と会いたくありません。

 

 

ここまでの思いを吐露したジュリアンです。

 

 

だが彼の思いは届きませんでした。

 

父のアントワーヌは共同親権が認められて、

ジュリアンは隔週の週末を父と過ごす羽目になってしまいます。

 

アントワーヌが車で迎えに来る日は

ジュリアンにとっては最悪の日となります。

 

 

すぐ怒り出す父。怒鳴るだけではなく手も出てくるんです。

 

ジュリアンはおびえて父の運転する車に乗っています。

母の携帯番号を聞かれても、携帯は持っていないと言います。

 

そして自分の携帯から母の携帯番号を消してしまうんですね。

ジュリアンは母を守ろうと必死ですね。

 

 

でも父は巧妙にそれらを掻い潜ってDVの本領を発揮してきます。

 

こんな状態が徐々にエスカレートしながら

ラストに向かって進んでいきます。

 

本当にDVって食い止められないんでしょうか。

 

 

被害を受けてる当人にはどうにも出来ませんよね。

 

司法も行政も係わりを持たず、沈黙したまま。

本当に歯がゆくてイライラしてくる瞬間があります。

 

 

でもいよいよのラストには、

やっとこれでDVの恐怖から解放される、

という瞬間が待っていますよ。

 

 

少し溜飲が下がりました。

 

でもなんか煮え切れないものが残っている感じ。

やはりDVに対しての行政、司法の無力さなんでしょうか。

 

見たほうがよろしい映画ですね。

面白かったです。

 

● 映画 ジュリアン DVがもたらす恐怖、その考察

 

この映画の舞台のフランスだけではなく、

日本でも問題になっていますよね。

 

警察は民事には不介入、特に夫婦間のことに関しては

腰が引けているように感じます。

 

 

このDV男が元々持っていたその暴力性癖。

 

それは妻への暴力が続き、

娘への暴力では骨折まで負わせているんですね。

 

こんな男が離婚後、大人しい訳ないですよね。

 

案の定ジュリアンのおじいさんの家に

退避している所までやってくる始末。

 

DVは放っておくとエスカレートしていくと聞きますが、

この物語もそのように進んでいきますね。

 

 

DV男アントワーヌは徐々に、

しかし確実に凶暴性を増大させ始めているんです。

 

この間、映画では警察に訳を話して、

DV男の魔の手から守ってもらう様な、

行動は描かれていません。

 

この程度では警察は動かないんでしょうか。

大きな出来事が起きてしまわないと

警察は動かないんでしょうか。

 

 

こんな暴力性癖を持った男には、

一般人には手が出せません。

 

この映画のラストの様な事が起きないと

警察は動かないんでしょうか。

 

 

本当に考えさせられる映画です。

 

司法や行政はDVの問題を克服するような体制を

早急に作っていただきたいと強く思いました。

 

● 私の評価

 

3.5

 

 

◆ 作品情報

 

□ タイトル

・ジュリアン

 

□ ジャンル

・サスペンス

 

□ 製作年

・2017年

 

□ 制作国

・フランス

 

□ 収録時間

・93分

 

□ 音声仕様

・仏 / 日本語字幕

 

□ 監督

・グザビエ・ルグラン

□ キャスト

 

ミリアム・ベッソン:レア・ドリュッケール

 


 

アントワーヌ・ベッソン:ドゥニ・メノーシェ

 


 

ジュリアン・ベッソン:トーマス・ジオリア

 


 

ジョゼフィーヌ・ベッソン:マティルド・オネブ

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